医師 求人の3つの原則

これが実物資産であるなら、日本人は平均どのくらいの資産をもっている計算になるのか。
7137兆円を1億2500万人で分配すると、国民一人当企業の含み資産も同じことである。 企業の土地資産を推計してみよう。
「時価」を国民経済計算年報の非金融法人企業の金額で、「簿価」を法人企業統計年報の全産業(金融・保険を除く)の金額で比べて土地含み資産の規模を推計してみる。 1985年、企業の保有する土地の時価は250兆円、その簿価は別兆円であったから、その差額、含み益は200兆円だったという計算になる。
これが、バブルの頂点の帥年に時価は650兆円、5年で2.6倍に増加し、簿価は100兆円と2倍に増えているだけだから、土地資産の含み益は550兆円と、5年間で2.8倍に増加したことになる。 同じ期間に名目の経済成長は1.4倍に過ぎない。

土地の含み益は、経済規模の2倍に拡大したことになる。 土地の含み益は、企業の収益やGDPとは無関係に名目的に増加したものに過ぎない。
この含み益は日本の国民資産の一部であり、もし国民資産が虚構、計算すれば一目瞭然、企業の含み資産は虚構になる。 バブルのピークの帥年では、日本は2365兆円、アメリカは681兆円であったから日本は、アメリカの3.5倍であったということである。
為替によって左右されるにしても、日本の土地資産の高さは明らかに異常である。 日本を売るとアメリカが4つ買えるというばかばかしい計算になる。
土地資産額の名目GDPに対する割合、土地係数で見れば、例年にはアメリカが0.6に対して日本は3.8、日本の土地の生産性は、アメリカの土地生産性の6分の1、収益性で評価した場合には、日本の地価はアメリカの6倍高いということになる。 時系列で見てもアメリカの土地係数は、1前後の水準で安定的に推移してきたのに比べ、日本は変動幅が大きい。
バブル前の開年に3.1であったものは88年のバブルの頂点では、日本の土地係数は5.4にまで増加している。 アメリカの0.9に比べ、日本はやはり6倍の高さであったと考えることができよう。
つまり、日本では土地価格が、付加価値、生産性とは無縁に評価されているということなのである。 含み資産というのものが、収益を反映しない虚構の価値であることは否定できまい。
もう一つ、地価の高騰の中で資産形成がどう進み、バブルの崩壊で資産がどう消失したのか、土地の含み資産の拡大と喪失―バブルとはなんだったのかみ資産が増大した過程と、崩壊し、含み損に転じた過程を、3つのケースを想定して試算し、実際に追ってみよう。 1955年に1000万円の現金があり、この資産を次の三つのケースでそれぞれ運用したとする。
(1)Aさんは、これを年利5%で銀行に預金し、そのまま預け続けた場合(2)Bさんは、1000万円で六大都市の土地を購入し、そのまま持ち続けた場合(3)Cさんは、lOOO万円で不動産会社を設立し、5年毎に保有資産を抵当に入れて、土地を購入し続ける経営を続けてきた場合という3つのケースを想定して資産形成を計算してみよう。 (1)のケースの場合、預金の元利合計は、82年から90年まで、バブルの直前までの8年間に4.5倍に増加、1000万円の預金は、4320万円になっている。
一方、(2)のケースでは、土地資産は、6・1倍の5億6100万円になり、両者の間に10倍の格差が生まれている。 土地資産の方が10倍得だということになる。

さらに、バブルの頂点の88年、預金は5.5倍、5500万円に増加したのに対し上げ底であれば、この企業の含み益もまた虚構、上げ底なのである。 バブルが弾け、朋年には国民資産のうちの土地資産は1767兆円に減少、同じく企業の土地資産も500兆円に縮小して、含み益は350兆円に減少している。
含み益はバブルのピークから200兆円、減少している。 しょせんは、含みは含みであり、それが収益力によって実現されない限り、名目的なものに過ぎない。
国民資産のうち土地資産が600兆円、企業の含み益が200兆円減少したということは、「ある」ものが「なくなった」ということではない。 「ある」と勝手に思っていたものが、結果的に「ないということがわかった」というだけの話である。
これを「日本経済から800兆円の資産がなくなった。 これは第二次大戦の被害に相当する」という言い方は、まったくの誤りである土地本位制と含み益経営の末路は179億5200万円、5%の金利負担分と負債額の合計147億5100万円を差し引いても、純資産は躯億100万円に増加する。
釦年間で、純資産が320倍に拡大している。 (1)の預金の元利合計4.3倍に比べると(3)の資産購入は320倍に増えたのであり、320倍有利であることがわかる。
バブル期には、これが極端に広がる。 稲年に再び179億5200万円の資金を借り入れて土地を購入すると、地価高騰のピーク時の帥年には、資産額は1102億800万円に拡大、この間の金利負担と負債累計額の合計417億3000万円を差し引いても、純資産は684億7800万円に増加、この不動産会社の土地資産は、5年で84倍、2年間で6848倍に膨張していることになる。

同じ期間に5%の預金の元利合計は5500万円、5.5倍であるから、土地と預金の資産格差は一挙に1245倍に拡大している。 明らかに、地価高騰期には、借金して土地を購入し続けることが最も有利な蓄財術であり、土地神話は土地実話であったのだ。
当時は、金持ちになるための3原則として「現金持つな、借金をしろ、不動産を買い続けよ」と言って土地資産は、一挙に172.2倍の5億2200万円に拡大、両者の資産格差は別倍にも拡大している。 仮にBさんがAさんの資金を借りて、元手2000万円で土地を購入していたとすると、Bさんの資産は帥年時点で剥億4400万円が手元に残ることになる。
土地資産の有利性は一層増している。 これが誰もが借金してでも土地を購入したがった理由なのである。
91年のバブルの崩壊の後、92年には預金は7.0倍の7000万円になり、地価の下落により土地資産は9・4倍の9億1400万円に減少したものの、なお、過倍の格差があり、バブル時に土地に借金をして土地を購入しなければ、依然として、含み資産を残しており、土地資産は、有利性を維持している。 しかし、これに借入金が加わると事態はまったく変わる。
地価の高騰期には、借入金のレバレッジ効果で資産形成が加速度的に進むが、地価の低落期には一挙に資産が喪失することになるのである。 (3)のCさんのケースでは、設立した不動産会社が5年ごとに資産相当額の借入金により土地を購入し続けると、訓年後の閲年にこの企業の土地資産額コピーが蔓延し、目端の利いた多くの人が金持ちになり、多くの企業が大会社になった。
しかし、バブル経済の崩壊、地価の急落はこの構造を根本的に変えてしまったのである。 妬年、地価は172.2倍から肌・4倍とピーク時の半分に低落した。

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